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はだかの王子様25
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僕が知るフラーさんは、優しくて豪快でなんでも知っている人で魔法使いさんで、彼は杖がないと歩けない人だった。
だけど、今僕を馬に乗せ手綱を引くこの人は、僕の知っているフラーさんじゃない。
それに、
「ガンジ!ファイム王子は確かに森の奥の小屋に向かったんだな⁈」
「あぁ!しかもファイム王子だけじゃねえ、ガタイのいいのを何人も連れて向かったぜ‼︎」
果物屋さんのガンジさんが街外れで馬を用意して待っていた。
「ガンジさん?」
「ライル様!ご無事で!」
「ライル様、ガンジは果物屋をしながら街で様々な情報を集める情報屋でございます。ライル様が王子であることも知っていました。」
「!そんな」
驚く僕を見てガンジさんは申し訳なさそうにあたまを下げた。
「黙っていてすみません王子。」
「ガンジだけではありません。街に住む者、城で仕える者、多くの者があなた様のご成長を楽しみに仮の姿で生活しておりました。」
「フラーさん、も?魔法使いさんじゃない?」
「はい。魔法使いというのは、私が少し調子に乗ってしまったのですが。…私はあなた様がお生まれになられる前、あなた様のお母様、アリア様に仕える執事でした。」
「⁉︎お母様の?ぅわっ‼︎」
フラーさんは僕を馬の背に乗せると、僕の後ろに乗り勢い良く馬を走らせた。
「ライル様!今から私が話すことは、貴方には辛いやも知れません。ですが、知っていて頂きたい!アリア様のこと、お父上のこと、我らのこと、そして、エドワードのことも‼︎」
僕らは街を抜け、城へは向かわず、城の奥の森へと進んでいた。
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