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はだかの王子様31
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「エドワードさんっ‼︎」
「遅れ馳せながらライル様、お迎えに上がりました。」
突如現れたエドワードに、ファイムは楽しげに微笑むとライルの首元に銀色のナイフを当てた。
「来ると思っていたよ。ライルはお前の大事な大事な王子様だもの。ライルをおいてそう簡単には死ねない」
「エドワードさん、怪我はっ⁈」
当てられたナイフが首元に赤い筋をつけるのも構わず、ライルはエドワードに叫ぶ。
「…自分で傷を縫ったの?いや、誰かにしてもらったみたいだね。痛み止めまで貰って」
ファイムがつまらなそうにため息をつく。
「ライル様、ご安心を。昔の友人と再会しまして、その者がたまたま医者だったもので、」
ライルを安心させるようにエドワードが微笑む。
「まぁいい。お前の大切な主人は僕の腕の中だ。お前にはどうすることもできないよ」
「ライル様に罪は」
「あるよ。アリアの子供と言うだけで僕にとっては罪だ。」
「…あの時皆が考えたのは、ファイム様の幸せだけだったと、フラー様が仰っていました。」
痛みがあるのか、エドワードは額にうっすらと汗を滲ませながらも、微笑みを崩さず静かに話し始めた。
「やっぱりフラーが関わっていたんだ。…アリアはどこまでも僕を苦しめる」
「ニコライは私にとっては兄のような存在でした。ここを出てからもたまに帰ってくる彼は、とても嬉しそうにあなたの話をしていた…」
エドワードの言葉にファイムが驚いた顔をする。
「…、ニコライを、知ってるの?」
ライルは先ほど見た扉の名前を思い出していた。
あれは、エドワードの名前
「えぇ。私はアリアに連れられ、ここで様々なことを学びました。ニコライ、ユーフォリア、アル、バル、たくさんの仲間もできた。ニコライは心を閉ざしていた私をいつも広い心で見守ってくれた」
エドワードの言葉にファイムは棺の中を見つめる。
「ファイム様の話をするときの彼は誇らしげで、どこか寂しげでした。」
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