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はだかの王子様39
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「…というわけで、次回のお妃様主催のお茶会には…」
城の一部屋、漆黒の間には多くの執事達が集まっていた。
この日は月に一度開かれる執事たちの会議日だ。
「エドワード!」
会議が終わるや否や、執事エドワードの元にかけて来る男が1人。
「バル」
アーヴィン前国王第一王女ナタリア付きの執事バルだ。
「…お前から上の名を呼ばれるのは違和感があるな」
「なんだよそれ、お前はライル様のエドワード、守り手だろ?」
楽しそうに笑うバルの後ろから、無表情の同じ顔をした男が現れる。
「…フラーさんから上の名で呼ぶようにって言われたんだ。」
「アル」
「アーヴィン様やファイム様はご存知だが、表向き俺たちはただの執事仲間だからな。それに、お前の過去が噂で広まってるし、あの名前はあまり出さない方が、」
「よぉ、ジャック、アル、バル!何してんだー?」
現れたのは赤毛の大柄な医者ユーフォリアだ。
「…お前はフラー様から何も聞いて居ないのか、もしくは聞いていてもその小さな脳みそでは覚えきれていなかったかだな」
エドワードは心底うんざりした顔でユーフォリアを見上げる。
「おー?なんだなんだジャック、荒れてんなぁ」
「原因はユーフォリアだけどね」
楽しそうに笑うバルの横でアルが小さく頷く。
「俺ぇ?」
「ところでお前、ここで何してるんだ」
話が広がると面倒だと判断したのか、エドワードが早々に話を変える。
「あ?おー、なんかファイム様の執事の、あれ、金髪の。あいつに会議が終わってからここに来るように言われたんだよ。」
「ユリールに?」
ここに勤め出してしばらく経つというのに全く人の名前を覚えようとしないユーフォリアにエドワードが説教しようと口を開くと同時に、漆黒の間の扉が開いた。
「皆さん、こちらでしたか」
話題の主が血相を変えて男達の前に立つ。
「ユリール、どうしました?」
「っ……アーヴィン様が、」
ユリールは言葉を詰まらせる。
「アーヴィン様がどしたの?」
「アーヴィン様が、…お亡くなりになられましたっ…」
「「…っ!」」
エドワードはその瞬間に、大切な王子の元へ駆け出していた。
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