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今し方台無しになったお茶をまた買う気にはなれず、服が乾くまでの間、雑誌でも読んで時間を潰す事を選んだ。
しかし、こういう所で人間性っていうのは出るんだろうな。
手に取った雑誌の側には、手書きの『立ち読み禁止』の貼り紙が目立っている。
元々そういうのに特に罪悪感が湧かないので、気にせず雑誌に目をやると、誰かに肩を叩かれた。
「雑誌は買ってから読んで下さいね」
先ほどの店員が真面目な顔で注意して来た。
あれ?こいつの顔、どこかで見た様な。
「さっきはすみません、これで拭いて下さい」
目の前の店員からタオルを渡されたが、今はこのモヤモヤを解決したい。どこで見た?
何気なく視線を先ほどの雑誌に向けると、これまた見覚えのある顔。
「お前…!坂城遼介か!」
雑誌に写っている写真の人物。
髪の色は違うし、眼鏡も掛けているが、どう見てもモデルの坂城遼介だった。
「うわっ!お、お客さんちょっとこっちに!」
「なっ!?」
何を急に焦ったのか、坂城遼介は俺の腕を引っ張り、早足でスタッフルームへ入って行った。
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