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雨の日のふたり : kyrt
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ゴロゴロ、と空に雷鳴が光る。
お風呂から上がったばかりのキヨは自分の濡れた髪をがしがしと雑に拭き、冷蔵庫にあった綾鷹を飲み干した。
早く彼に会いたい、抱きしめたい、と
綾鷹を飲み干すこの一瞬さえレトルトの事を思っていた。
その彼、というのはキヨと同じく実況者で
その独特な鼻声と華奢で小柄なイメージのある花のような女性、レトルト。
レトさん、というキヨよりも年上らしいレトルトとキヨは実は恋仲で、
同棲中だということを知っているのは最俺や、平和組など2人にとって信頼のおける実況者のみ。
そんなレトルトにはやく触れたいと、レトルトの居場所を探す、その時
一瞬空が鋭く光り今までで1番大きいであろう割るような音が響いた。
もしかして近くに落ちたのかな、と思いつつリビングに足を踏み入れる。
そこには最愛のレトルトの背中があった。
「いやー、レトさん
いまのヤツ凄かったね」
この辺に落ちたのかもねwとへらへらレトルトに近づくもなにも返ってこず。
よくよく見るとレトルトの背中は小動物のように小刻みに震えていた。
「レトさん、もしかして
怖かったりする?」
これはもしや、と声をかけるとレトルトは恐る恐る振り向いて
「き、よくん」
と声を漏らす。
「こ、こんなん怖くもあらへんよ、その
げ、げーむ、せや!この雷でゲームのデータが飛んだら困るなあ、思ってな」
先ほどの行動を隠すように、それらしい言い訳をするも、キヨには逆効果で。
なにこのレトさん、かわいい
などと煩悩にまみれる。
「かわいい、レトさん、可愛いね。
ぎゅってしても、いいかな」
「き、きよくんが、どうしてもってゆうんなら、
し、してもええよ?」
おどおどするレトルトは可愛くて、
内心もうぐちゃぐちゃにしたくて。
レトルトをぎゅう、と抱きしめた。
優しく、包み込むように。
華奢なレトルトは少し力を込めれば折れてしまいそうなのに、「もっと、つよく、ぎゅってして」なんて涙目で言うから。
「もう、可愛すぎ、俺知らないからね」
少し強引に、レトルトを引き寄せ
そっと軽いキスを落とす。
それでは飽き足りずレトルトは「きよくん、もっと」と要求してくる。
雷が怖くて人肌が恋しいのだろう。
俺の可愛い自慢の彼は潤んだひとみをこちらに向ける。
あーもー、ほんと、気が狂いそう。
ぐるぐる回る脳みそはもう思考停止になりそう。
「明日!起きれなくても、知らないかんね!レトさんのせいだべ!」
既にぷつり、と切れた理性。
少し乱暴に抱き上げ、そっと寝室のベットへと横にさせる。
雷も雨も、すでに消えてしまっていた。
聞こえているのは、2人のリップ音。
後日我に返ったレトルトの猛攻撃を受けることを
キヨはそれなりに覚悟していた。
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