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どうか、神様
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俺は武田和真(たけだかずま)
受験生ってやつだ。
といっても、試験は全部終わっててあとは合格発表を待つだけ。
この期間てめっちゃ心臓に悪い…
滑り止めは受かってるからこれがダメでも高校生にはなれるんだけど。
でも、俺はどうしてもあそこに受かりたい。
あいつのいる第一志望校に。
あいつって言うのは渡瀬亮(わたせりょう)。
俺の自慢の彼氏。
亮はめっちゃ頭良くて、推薦で受かってる。
俺バカだけどあいつと高校離れたくなくて。
自分でいうのもあれだけどめっちゃ勉強頑張ったの。
普段勉強しないからしんどかったけど最後まで頑張った。
試験当日もギリギリまで復習して。
正直、自信ないんだよね。
やれることはやったつもりだよ?
でも、問題解くのにいっぱいいっぱいで見直す時間なくて。
ミスとか絶対あると思うんだ。
亮は「全力出せたなら大丈夫」って言ってくれてるけど悪い方にしか考えられない。
とは言え、俺の運命は明日で决まる。
合格発表当日
目の前には掲示板とそれに群がる人。
受験票片手に俺はその場から動けずにいた。
これでダメだったら…いや大丈夫。大丈夫。
どうか、神様。お願いします…
人の間を抜けて掲示板の前まででる。
受験票の番号を探す。
俺の番号は230。
200、204、205、206、210、219、223、226…
怖い。けど見なきゃ。
227、229、230
…あった。俺の番号があった!
見間違いじゃないかと思ってなんども受験票と掲示板を交互に見て確認する。
間違いじゃない。ちゃんとある。
「よっしゃぁぁぁぁぁ!」
俺は周りを気にせず叫んでいた。
手続きを終えて俺は早速携帯を取り出して亮に電話をかけた。
一番に伝えたい。あいつに早く伝えたい。
そんな気持ちがたった数秒の呼び出し音を何十秒もなってるように聞かせる。
「和真?どうだった…?」
亮の声は緊張していた。
「あった!俺の番号あった!」
俺は口早に言った。
「ほんとか?」
「おう!手続きしてきた!」
そう答えた瞬間だった。
「和真!」
聞き覚えのある声が後ろから聞こえた。
声のしたほうを振り向くと、そこには亮がいた。
「やったな!おめでとう!」
俺はその声を聞かずに走りだしていた。
周りなんて気にしないで抱きついた。
「ちょ、和真?」
「俺、高校でもお前と一緒にいれるんだな…」
いきなり抱きつかれた上に泣かれたら誰でも戸惑うよな。
でも、嬉しくて涙が止まらなかった。
「そのために頑張ったんだろ?これからもよろしくな?」
かっこいい笑顔でそう言われた。
あ、俺こいつがいなきゃダメだわ。と思ったのは内緒。
「おう!」
どうか、神様。
これからも亮と一緒にいさせて下さい。
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