アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
15、
-
―――グイッ
「―――こっち、こっち見てよっ――優月!!」
「ん……何だよ……ってか、今……俺の名前呼んでっ…………」
すると、急に隣にいて窓の外を眺めていた筈の陽太から声をかけられ反射的に振り向いてしまう。そして、陽太は強引に高橋から取り返したポッポという御菓子をサッと俺の手から取り上げたかと思えば、何故かそれを―――口にくわえると、両目を瞑って俺の反応を待っているのだ。
(こ、これじゃ……これじゃ……まるでっ…………陽太と……キ、キス……)
心臓がバクバクと高鳴り、口から出てきてしまいそうな気分になる。きっと、端から見れば俺の顔は茹でダコのように違いない。
―――こんなチャンスを逃す訳にはいかない。
―――もう、高橋も俺達には興味がなさそうに周りのクラスメイト達とバカ騒ぎしている。
(つ、つまり……陽太と口移しでポッポを食べ合うという夢のような行為を邪魔する者は……今はいない!!)
そう確信し、ゆっくりとだが徐々に陽太の顔へと己の顔を近付けていく俺。
―――しかし、
「はーい、不純同性行為は―――そこまでですよ~……御二人さん?」
その夢のような行為は―――高橋でも、ましてやバカ騒ぎしている幼稚なクラスメイトでもなく、修学旅行中、俺達の監視をする副担任の男性教師―――雨宮によって邪魔されてしまうのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
15 / 26