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「聖、ご学友が迎えに来てるわよ」
俺が自室で制服に着替えていると、扉の向こう側で言った母の言葉に誰が来ているか察しがついた。家の場所よくわかったなと思いつつ、急いで部屋を出ると玄関に向かった。
「誰?」
玄関に着いた俺の第一声はそれだった。
そう、玄関にいたのは育ちの良さそうな美人な女の人と童話で出てきそうな王子様のような風貌の男の人だったからだ。
「ぼ、お、俺です。相良帝です!」
「私は山下美希ですわよ。おほほほほ」
「人は変わるものなんだな…」
しかしこの二人…見た目は完璧だが話し始めるとダメみたいだ。相良は片言だし、山下はおほほほほとか言ってる。
「ん?あれ…でも山下ってギャルだよな?」
「相良くんが僕が変わるなら山下もねっていうから、やってみたの」
「そういうことです」
「まぁ、とりあえず歩きながら直すところを教えてやる」
俺は二人に玄関から出るように急かすと、母にいってきますと言って出て行った。
「相良…お前、俺様のいうこと聞けてねぇじゃねぇかよ。俺様にもタメだろ?わかったな」
「あぁ、わかった」
少し片言ながら、敬語だった相良がタメで話してくれるのはとても嬉しい。
「よし…じゃあ、俺は今日は眼鏡系男子なるわ。相良、眼鏡貸してくれ。どうせ、持ってきてるだろ?」
相良はばれてるとでもいうような顔をして、渋々と俺に眼鏡を渡した。
「あ、やっぱり度がはいってないのな。なんで伊達なの?」
それと、この眼鏡ってで売ってんだよ。グルグルに瓶底って笑笑
「か、顔を素面で出すのが恥ずかしくてさ……」
「そうか…でも、顔は出てた方がいいことあるから頑張れよ。お前はさ、いい顔してるし自信持て」
「うん、使用人たちも俺が顔を出してることを喜んでた。やっぱり近しい人の笑顔っていいなって思ったよ」
いや、いい話だなと思う。が、使用人とは?まさかの相良の家って滅茶苦茶金持ち?
「三枝くんも気づいた?私も昨日家にお邪魔した時はビックリしたよ。相良ってあの相良財閥の御曹司なんだってさ」
「マジか。超有名人の友達出来た」
相良財閥って滅茶苦茶金持ちの一族じゃねぇか。
なんにも思ってない風を装ったが俺の心の中は大爆発を起こしていた。でも、相良を悪い気分にさせないように心をぐっと持ち直した。
「はは…そんな感じで素っ気ない方が嬉しい気もするな。皆、僕が相良家の御曹司って知ると媚び売ったりしてきて嫌だったから…」
……相良も色々苦労してるんだな。でも、その気持ち少しはわかる気もするな。俺もこの容姿のおかげで女性に何度も媚を売られたことがある。
そんなこともあったけど、山下は意外にも話しやすい女性だと思った。ギャルでチャラいから嫌いな分類の人間と言うのはかなり俺の屁理屈のようだ。何故ならば、結果として相良もあの短時間で山下とは仲良くなっていたし警戒心も解いていた。
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