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タキはコウにもわかるように、わざと大きく嘆息をつく。
「……。あなたは私の一番大切な人を奪おうとはしないのですか?奪えば、もしかしたらあなたが私の一番になれるかもしれないのに?」
タキの一番大切な人はもちろん寿だ。
タキには自分の命に変えても、寿に危害を加えることは絶対にさせない。
そんな強い意思がタキの心にはある。
もし寿に何かの危害を加えようと考えているだけで、生き地獄というものを与えてやる。
もちろん簡単には殺しはしない。
すぐに殺してやるほど自分は優しくない。
二十四時間、死なない程度に痛みを与えてやるだけ。
死んだ方がマシだ、殺してくれ!と哀願しても致命傷にならない痛みものばかり。
そうやってジリジリと身体的痛みと精神的な痛みを味あわせてやる。
それがコウでもあっても容赦はしない。
コウが隣国の皇子の元従者だったとか、そんなことはタキにはとっては関係ない。
寿を傷付けようとする人間は誰であろうが、容赦なく生き地獄を見せてやる。
この城に来てから、寿が嫌がらせをされているのはタキもわかっている。
ただ寿にも何か思うところがあるのだろう…。
犯人を捕まえて、生き地獄に合わすのは簡単だ。
今、それをしても寿が傷つくから…。
だから今はしないだけ…。
(寿様はお優しすぎるから…)
これだけ懸命に生きて他人を思いやる気持ちを持っている寿を傷つけるのは、コウであろうが誰であろうかタキは絶対に許さない。
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