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18歳以上ですか?
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すれ違い1-1
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あの出会いから早2ヶ月を過ぎようとしてる…。
もう新しい男を見つけてしまったという事だろう。
「はぁ…」
ため息が止まらない。
18という事は学生だよね。名前以外に色々聞けば良かったかな…。いやいや、必死すぎる自分に呆れる。
「はぁ…」
「李玖さん、大丈夫ですか?ココ最近変ですよ?土日早く出勤するし…平日は遅いですけど…前より客とるの増えてますし…」
声掛けられた方に目を向けると声を掛けてきた後輩以外の従業員達も心配そうに此方を見てる。
「あー、うん。大丈夫。早く来るのは別に俺の勝手なんだから良いでしょ?」
「そうですけど…」
《李玖さん、お客さん来ました》
後輩が何か言いたげにモゴモゴとしていると丁度スタッフが俺を呼びに控えルームへアナウンスを流した。
タイミングいいね。
「じゃ、お先〜」
「あ、李玖さん!!」
立ち去ろうと後輩の横を通り過ぎるとガタンと椅子が倒れる音と一緒に右腕が引っ張られた。
「……翔琉(かける)客待ってるから手放して」
「すみません。李玖さん、今日ご飯行きませんか?!」
捨てられそうな仔犬な様な目で此方を見る翔琉に内心、溜め息をつく。
「ごめんね。夜は早く帰りたいんだ」
もしかしたら、あの子が家の前に来てくれてるかも知れない。なんて1ヶ月間早めに帰路についてたりする。
「そ、ですか」
掴んでいた手も離れ静かになる翔琉に髪を引かれつつ心で謝りながらも客の待つフロアに足を向けた。
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