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敬語
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(…もしかして年下かな…?)
琴音の前に立っていた男性は、琴音の身長の百六十五センチよりほんの少し低くて、男性というより男の子といった方がぴったりだ。
幼さがまだ残っている顔立ち。
粟色の天然パーマで二重の大きな瞳が印象的で、その大きな瞳は心配そうに琴音をじっと見つめている。
「本当に大丈夫なの…?」
「はいっ!心配して下ってありがとうございます。もう大丈夫です!!」
心配させないように琴音はできるだけ明るく言う。
両親から当たり前のことだが、目上の人にはちゃんと敬語を使いなさい、と厳しく教えられている。
琴音の両親は特に上下関係の付き合いにはうるさかったので、目上にはちゃんと敬意を払い、目下には慈しみなさい、と幼少の頃から耳にタコができるぐらい言われてきた。
なので、もしかしたらこの男の子は自分よりも年下かもしれないが、この店で働くとなったら目上になる人だ。
だからちゃんと敬語を使う。
「本当に…?」
男の子が燻しげに聞いてくる。
「はい!もう痛みは引いたので、大丈夫です!」
本当にだんだんと痛みは引いてきて、あまり痛みは感じない。
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