アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
葵
-
琴音が頭を上げて微笑むと男の子の瞳が優しくなった。
「翠が選んだことはあるよね…。本当に優しいオーラだね…」
「……?」
「僕の名前は葵っていうんだ。これからよろしくね!」
男の子はそう自己紹介してくれて、琴音に手を差し出してくる。
「え…っと…」
手を差し出されて手を握り返していいのか、と迷ってしまう。
まず面接をしてもらうか決まってないし、ここで働くとも決まっていない。
(‥うーん、いいのかな…?)
まだバイトに受かるかの前に面接してくれるかさえ決まってないけど、まぁ握手ぐらいしてもいいだろう、と思い琴音は手を出す。
「山根琴音です。よろしくお願いします」
「‥葵!翠を呼んで来た方がいいんじゃない?」
そう男性が声を掛けると、葵は大きく頷く。
「うんっ!そうだねっっ!ちょっと待っててね!」
「え‥?あ…!」
葵は琴音が言う前に店内の奥に走っていく。
琴音はただ葵の背中を見送ることしかできない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
13 / 219