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同情
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大学も受かっていたが入学を取り消した。
特に大学に行ってしたいこともなかったので、大学を行けないことに特に何も思うことはなかった。
琴音は、スィエロに来るまでご近所の人や友達の家を転々とお世話になった。
お世話になった家族は琴音に気を使ってくれたが、それ以上に琴音が周りに気を遣ってしまう。
ご飯を食べるのも家族のペースに合わすし、もちろんおかわりなんてもってのほか。
お風呂でもシャンプーは少しか使わない。
リンスは絶対に使わない。体を洗うのも一週間に一度だった。長い風呂なんてできない。
真夜中に喉が渇いても我慢。
どんなに眠たくてもそこの家族が寝るまで起きておく。
タダで泊めてもらってご飯も食べさしてもらっているのでそれは当たり前のこと。
火事で両親と家を失ったということで、どの家でも憐れみの目で琴音を見てくる。
同情されて憐れみの目で見てくるのもすごく嫌だったが、それより一番辛かったのは一人で泣けないことだった。
一人部屋を用意してくれたところもあったが、もしここで泣いて朝、目が脹れて泣いたのがバレて余計に心配されて同情されるのが嫌だった。
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