アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
好きなもの
-
(‥うん。都明さんの言う通り個性豊かだ)
琴音は客観的に見てみる。
都明はバーチャルアイドルに話しかけて、
京は鏡に写った自分の顔を見ては顔を褒めて、
葵はぬいぐるみと会話をして、
花清は顔を隠して料理本を読んでいる。
そんな人達が一列にソファーに座っていると、独自の個性が際立って面白い。
「俺、趣味ないですし、好きなものがあるっていいですね」
翠が数回瞬きを繰り返して、クスっと笑う。
「お前、このメンツを見て、引かないのがすごいな」
「…?どうしてですか?自分の好きなものを持っているって、素晴らしいことだと思いますけど…」
翠がニコっと笑う。
その笑顔がとても素敵でつい見蕩れてしまう。
「琴音に僕のうさちゃん貸してあげるー!」
「え?」
翠の笑顔に見蕩れていた琴音の前に、急に葵がうさぎのぬいぐるみを差し出してくる。
「僕のうさちゃん嫌い?」
葵の瞳がうるうるっとなっていく。
(あ、やばいっ!)
「そ、そんなことないです。ありがとうございます!」
琴音はウサギのぬいぐるみを受け取ると抱き締める。
ぬいぐるみからはバニラエッセンスのような甘い匂いがする。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
47 / 219