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裏稼業
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「それに俺らは裏稼業をやらなくてもケーキ屋だけで十分やっていけるぞ。家の維持費や税金や全員分の保険とか払うもんはちゃんと払っているし、こいつらの給料と生活費もちゃんと出している。俺らの経営能力はすごいからな」
「じゃあ、なんで裏稼業なんてしているんですか?」
(…あ)
ケーキ屋でもやっていけるなら裏稼業なんてしなくてもいいんじゃ…、
と思って何気なしに聞いてしまったのだが、翠の瞳に一瞬だけ憂いが宿ったのがわかって、琴音はものすごく後悔してしまう。
(傷つけたっ…!)
だけど翠は何もなかったように口を開く。
「俺のことは気にしなくていいぞ。そうだな、なんで俺達が裏稼業しているか、その内に嫌でもわかるだろう」
「あの…」
気にするな、と言われても気にしてしまう。
翠を傷つけたのは確かなのだから。
「だから気にしなくていいって。…それよりも今からお前に嫌なもんを見せるのは確実だから。覚悟していてほしい。…ああ、来たな」
(?…何が来たんだ…?)
その時、タイミングよくチャイムが鳴る。
翠は思い切り顔をしかめた。
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