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疫病神
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琴音は首を傾げる。
皆が翠に対してどうしてそんなことを言うのかよくわからない。
(翠さんが傷つく…?どういう意味だ…?)
物事を把握しきれてない琴音だけがついていけない。
「…それはお前らにだって迷惑かけるだろ?」
都明はため息をついて首を振る。
「俺らと翠の迷惑度は段違いに違うだろう?」
「そうだよ、翠は一人だけ犠牲になればいいって思っている!」
「僕、翠が傷つくのも犠牲になるのも嫌だよっっ!」
葵が翠の手をとって真剣な瞳で訴える。
その瞳が徐々に潤んでくる。
琴音はまだ事情は飲み込めないものの段々と事の重大さは伝わってくる。
(なんだ…、この状況は…)
「大丈夫だ。…花清、」
翠はお札を花清に投げる。それを花清は受け取る。
「あいつの後ろにいるのは疫病神ってもうわかっているんだろ?」
急に聞かれて、花清は小さく戸惑ったように頷く。
「翠っ!」
都明と京と葵の声が重なるが、翠は無視だ。
「だったらそのお札に厄病神が入れろ。できるだろ?」
花清も下を向いて、もう一度小さく頷く。
「じゃあやってくれ」
翠の言葉に都明は諦めたようにため息をつく。
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