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ねぇ、あなたは
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翠ができるか、と聞いたのは除霊ができるか、と聞いた意味ではなくて、初対面の真貴とちゃんと喋られるか、という意味だと琴音にはわかった。
花清は真貴の前で困惑したままで、固まってしまった。
(あ…)
その時、ふと花清に横に翠が立つ。
「無理すんな」
花清がふと顔を上げる。
すると翠が優しく笑って花清の頭を撫でる。
「悪いがこっちに来て楽にして、目を瞑ってくれないか?」
そう翠が言うと、真貴がため息をつくが、それでも素直に目を瞑ってくれるが表情は不満たっぷりだ。
花清は真貴が不満たっぷりでも素直に目を瞑ってくれて、ほっと一安心したように胸を撫で下ろす。
そして花清はお札をテーブルに置いて手を合わせて、神経を集中して意識を高めていく。
「庵侘最守季音っ」
花清が地を這ったような声で呪文のようなものを唱える。
すると倒れていたお札が急に立った。
その瞬間、真貴は気を失ってその場に倒れる。
(うわぁ、テレビみたい…)
時々テレビでやっている悪霊払いと同じ光景が目の前で起こっている。
「真貴っ!」
舞が真貴のところに駆け寄ってくる。
「大丈夫、少し気を失っているだけだ」
翠が真貴を抱えて少し離れた場所にある使ってないソファーに真貴を寝かせる。
舞が真貴の顔を覗き込むと少し苦しそうだった。
「…真貴」
「気にするな、五分もしない内に意識が戻るから」
「…ええ」
心配そうな舞に翠が声を掛ける。
舞は真貴から視線を上げて翠を見る。
翠に対して好奇心が湧いてきたのか舞が翠に質問してくる。
「ねぇ、あなたは?」
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