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(…なんで俺、こんなにも喜んでいるんだろう…?)
琴音は涙を隠すために、下を向いたまま話題を変えることにした。
「…す、翠さんは売り場には立たないんですか…?」
咄嗟に出た話題だが、翠のこの容姿なら売り場に立てば人気が出るのは確実だ。
「俺?俺はオーナー業で忙しいからな。それに俺が売り場に立ったら店に入りきれないほどお客様がやってくる。そうなったら俺らは儲かるからいいけど店にお客様が入れなくなったら、お客様に迷惑が掛かるから立たない」
翠は自信満々にそう言い切る。
本当にそんなことが起こりそうなので、琴音は何も言えない。
「まぁ、本当のことだしな。お前が何も言えないのもわかる」
翠があまりにも堂々と言うので、琴音は下を向いたまま笑ってしまう。
すると、涙が引っ込んでいくが琴音は念のために手で目元を拭って顔を上げる。
顔を上げると翠が優しく微笑んでくれていた。
なので琴音も自然と笑みが浮かぶ。
「でも中身がないとダメだと思います」
「中身も最高だろう」
(…悪い人ではないけど…。それを自分で言うのはどうだろう…)
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