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花清は下向き加減に琴音と翠の顔を交互に見る。
「…お、俺、思ったんだけど…、」
除霊の時に唱えた時のような声ではなく、花清の声はハスキーボイスで今時な容姿によく似合っている。
「‥な、なんで、こ、琴音はケーキサーバーを右でもっているの?‥き、昨日、鉛筆もった時も左だったし、昨日の晩ご飯の時も箸はひ、左だったし……、な、なんでケーキサーバーだけ右なの…?」
「え?」
そう花清に指摘されて、琴音は花清とケーキサーバーを交互に見る。
花清の顔は真っ赤だった。
それでも顔は下向き加減ながらも、ちゃんと琴音をちゃんと目を合わせてくれている。
琴音は左利きだ。
箸も鉛筆も包丁もすべてもつ時は左だ。
なのになぜか今、持っているケーキサーバーは右でもっている。
「あ!」
琴音はゆっくり左手に持ち替える。
そして何もなかったように、ホールの方からケーキを掬う。
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