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傷
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「‥琴音、大丈夫かっっ!?」
翠の声が聞こえてきて琴音は恐る恐る瞳を開ける。
すると天井が見える。
(あれ、シャンゼリアがない)
天井に吊られていた高そうなシャンゼリアがない。
琴音は不思議に思いながらも倒されたソファーからゆっくりと立ち上がる。
(…え?)
次に視界に入ってきたのは床に飛び散った硝子と生々しい血。
(…血‥?)
そして散らばった硝子の真ん中辺りで翠が葵に覆い被さっていた。
どうやら翠が琴音の座っていたソファーを後ろに引っ張ったらしい。
翠を見た瞬間、琴音は口元を両手で覆った。
翠の右手から今もどくどくと血が流れていて右腕は真っ赤に染まっている。
あまりにも生々しい光景に言葉を失う。
「翠、大丈夫っ!?」
葵は起き上がろうしてそれを翠は止める。
どうやら葵は無傷らしい。
「葵、動くな。硝子が飛び散っているから動くと危険だ。怪我はないか?」
「僕なら大丈夫っ!!」
「なら、良かった。琴音も頭を打ってないか?大丈夫か?」
翠がこちらに視線を向けて聞くので琴音はこくこくと頷く。
「無事で良かった…!」
翠はそっと葵を腕の中から離して、葵に硝子が当たらないように最善の注意を払って、立ち上がる。
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