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疫病神
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「上からシャンデリアが落ちてきたの。翠が右手を大怪我して舞ちゃんの病院で診てもらっているよ。痛そうな素振りもなく、病院に行ったよ…」
「そうか、やっぱりな…」
都明が呟いて四人の視線がゆっくりと厄病神が入っているお札を見る。
「これで厄病神じゃなくて、ちゃんとした福神になったな」
都明が呟く。
「え?」
琴音もお札に視線をやるが、やはり厄病神が福神の変わったかなんて琴音にはわからない。
「厄病神は元は福の神だったんだよ。元の姿に戻すために翠が引き取ったんだ」
京が説明してくれる。
(‥そうだったんだ…)
「厄病神から福の神に戻すために俺達は被害にあっていたという訳だ。つまり厄病神を福の神に戻すためには厄病神の不幸をすべて被らないといけない」
都明が腕組して小さくため息をつく。
「厄病神がこんな短時間で善の神様に戻れる訳がないんだ…。しかも俺達に降りかかった不幸は最小限。…最小限に抑えたのは翠。その変わりに不幸は翠に四倍降りかかる‥。でもそれを翠は自ら望んだ。俺達にできるだけ迷惑を掛けたくなかったみたいだが…。俺達にしたら翠に大怪我される方が心臓に悪い」
都明が大きくため息をつく。
「翠に比べたら僕達の不幸は比にならないよ。翠の怪我は生命の関わりを持たなくても大怪我だろう…。翠は至って普通に病院に行ったけどね…。‥それをわかっていながら厄病神を翠は引き取ったんだ」
「なんのためにっ!?」
琴音が声を荒げる。
なんで不幸を被るってわかっていて引き取るなんて。
しかも自分が大怪我をするとわかっているのに…。
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