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笑顔になってほしい
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ふと優典は幼かった自分を思い出す。
一人だと寂しくて、すぐにマイナス思考になってしまう。
だったらカフェ・リノに来ればいい。
カフェ・リノには両親の愛情には到底及ばないが、遊んでくれるお客様もいるし、似た境遇の友達もいる。
店員も出来るだけ子供達に話しかけているつもりだ。
「辛いことがあってもこのカフェに来た時は笑顔になってほしいな、って思っているんです。…あ、それは大人も子供も一緒ですけど…」
これは優典の本心。
「きっと、子供達は本当はお家に帰りたいと思うんですよね…。僕のご飯を美味しいって子供達は言ってくれるけど、本当はお母さんの料理が一番美味しいと思うんです…」
いくら優典が料理上手でも、母親の料理に敵うものじゃない。
「お家の事情がわかっているから子供達が文句も言わずに親御さんを待っている。あの子もわざとしたこと訳じゃないから気にしなくてもいいのに、きっと優しい子だから気にし続けると思うんです…」
優典は笑顔で言葉を紡ぐ。
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