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お手製
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「見ていればわかりますよ」
弓木が意味あり気に笑って、それ以上は何も言わない。
宇榮原は再び小さく首を傾げながらも、カウンター席に座り、優典に声を掛ける。
「おはようございます!今日は私服なんですね。あ、今日はお休みですか?」
優典の格好はジーパンに長袖のシャツに薄手のパーカを羽織るという軽装だ。
「‥お、おはようございます。いや、僕はまだ勤務時間じゃないので‥。自宅で焼いたケーキを届けに来たんです」
「?‥ケーキ?」
「はい。僕が家でケーキを焼いて、そのケーキを三時頃から店で出すんです。今、そのケーキを持ってきたんです」
「へぇー。優典さんのお手製ですか?」
優典さん、と宇榮原に名前で呼ばれて優典の胸がドクンと大きく鳴る。
(なんだろう…、これ?)
「‥はい。そうです…」
「そっか。お手製のケーキ食べたかったな。でも三時からか‥」
宇榮原は腕時計に、目にやってそれから残念そうに嘆息をついた。
後、三時までは六時間以上ある。
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