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四つ!
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「いるー!」
「何個?」
「うーんと…、四つ!」
子供が考えて小さな手で四という数字を作る。
子供は一人っ子だったはず。
きっと新しいパパと、その新しいパパにもう一人家族がいるので、四つという数字が出てきたのだろう。
「わかった。ちょっと待っててね」
子供には余計なことは聞かないように注意する。
新しいパパのこともケーキが四つなのかも聞かない。
子供は素直でありのままを口にするから。
新しいパパと幸せになってね。
そう心で願うだけ。
子供は四つと言ったが、四つよりも少し多目に箱につめる。
少し多目につめても充分バイトの子達に行き渡る。
「ママがお疲れだって聞いたから多目に入れておいたよ。チョコレートは疲れにいいから食べて下さい、ってママに言ってくれる?」
「うん!ゆうすけくん、ありがとう!」
子供がバイバイと手を振るので、優典も笑顔で手を振り返す。
そして子供と入れ替わりにカフェ・リノにやってきたのは腰の曲がったおばぁちゃんだった。
「おはようございます!君子おばぁちゃん。今日はどうかしましたか?」
優典がおばぁちゃんに駆け寄って、声を掛ける。
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