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太陽
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「そのキラキラしたものの正体は太陽の光だったんです…」
優典は空を見上げたまま。
「その太陽の光と空の蒼さと、どこまでも続く空の美しさに心奪われてしまったんです。ずっと空を見上げていたら、不思議とスッーと僕の中から、不安と恐怖が消えていったんです」
なぜだろう。
言葉で説明出来ないけど、空を見ていたら自分の中から不安と恐怖が消えていくのが、幼い優典でもわかった。
「瞳を開けて見上げればキラキラした光がこんなにもいっぱい自分に降り注いでくる。しかもこのキラキラした光は誰にでも平等に降り注ぐ。でも下を向いている人間には降り注がない光なんだ、って身をもってわかったんです」
優典はクスリと笑う。
「だったら、僕はこれから先どんなに不安で恐怖があっても上を向こう、ってその時、決めたんです。…だって上を向けば、こんなにも綺麗でキラキラした光が降り注ぐんだから…」
今までこれから先なんて考えもしなかった。
「僕は何があっても上を向いて生きていく。きっと上を向いていたらいつか生きる楽しさを知ることができる、って」
今までは、一秒先を考えるなんて怖くて出来なかったのに…。
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