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俺の虜
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「だから、優典さんも俺の虜にさせてみせます」
そして優典だけに聞こえるように、耳元で囁いた。
「なぜ一般の客として来なかったか、なぜ優典さんに近付いたのか。そんなの決まっています」
ドクンドクン、と優典の鼓動は跳ね続けている。
「あなたに一目惚れして、好きになったからですよ」
明日真は二人の会話は聞こえず、え?俺ってなんかピエロじゃん?俺、忘れられてない?なに、この雰囲気は?イラっとなり二人の間に入っていった。
この件で宇榮原と明日真の仲が一段と悪くなったのは言うまでもない。
「店長、タダで風船もらってきました!」
宇榮原の手には一杯の風船があった。
「ありがとう、宇榮原くん」
優典がお礼を言うと、宇榮原が錘をつけて風船を店内におろす。
「でも本当にこんなにもらっていいの?」
「はい!子供達に、って無料で譲ってくれたんです!」
「そう。じゃあ今度、お礼に行かなくちゃ」
「はい!だったら俺もついていきます。俺がもらってきたんだし」
「うーん、そうだね。じゃあ次の定休日、空いてる?」
「はい!空いてます!」
明日真が、優典と宇榮原のやり取りを見ながら嘆息をつく。
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