アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
スーツ
-
今日、明日真がバイトに入ってなくて良かった、と心底安心した。
明日真があの一言を聞いていたら、優典に宇榮原がどれだけ腹黒いか大声を張り上げて伝えていたことだろう。
だが優典は明日真の言葉に誰にも予想出来ない答えを導き出して、宇榮原は雇い続けるのだろう。
「今時、母親のことをお母様と呼ぶか?俺、聞いた途端、鳥肌立ったわ!」
明日真が、ふと思い出したように弓木に言う。
「宇榮原さんいいところの坊っちゃんなんだろうな…。最初、ここに来た時もいいスーツ着ていたし」
「お前、スーツの良さなんてよくわかるな!」
明日真が感心したように弓木を見つめる。
「俺、社会人になってお金が溜まったら、宇榮原さんが着ていたブランドのスーツが買うのが夢だから」
弓木には社会人になったら叶えたい夢がいろいろある。
スーツもその一つなのだ。
「新入社員じゃ到底買えないスーツだし。あれ、高級品でオーダーメイドでしか受け付けてない。その人に一番似合うスーツを作りたいからって。その分、値段はかなり張るけど。それに宇榮原さんは俺らと雰囲気がどこか違うだろう?」
明日真はチラッと宇榮原を見る。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
97 / 100