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守りたかった人【grut】
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彼が死んでもう3ヵ月が経った
国はなくなり、幹部であった俺を含めたみんながそれぞれ普通の生活に戻った
一緒に暮らしていたのに今では一人暮らしだ
別に寂しいってわけやないけど、、、
ただ、ただ、、
いや、もう忘れよう
忘れたらもう泣かなくていい、こんなに苦しまなくていいんだから
ピーンポーン
と静かな部屋に音が響く
シッマやろか?とドアを開ける
「な、んで」
「どうした?大先生、探したんだぞ」
今目の前にいるのはもういないはずの人
なのに、なんで?なんで今俺の目の前にいるの
頭をポンポンと撫でられる
「何かあったのか?」
きっと今俺は泣きそうな顔をしてるんだろな、
「グルちゃん、」
「ん?どうした?」
なんで死んだのにここにいるの?
聞きたい、聞きたいけど、
声に出せない、声が出ない
ふわっと体が包まれる
「大丈夫だ、ゆっくりでいい、」
あったかい、三ヶ月間感じられなかった温もり
「グルちゃん、死んだ、、はずやのに、どうして?」
グルちゃんがさっきより少し強めに抱きしめてくる
「何を言ってる
俺がそう簡単に死ぬわけがないだろ?」
そうだよね、そうやんね、
グルちゃんがそう易々と死ぬわけないよな
「そうやね!グルちゃんやもんね」
「なぁ、大先生」
「ん?なぁにグルちゃん」
「久しぶりに大先生の手料理が食べたいな」
「わかった!!すぐ作るから待っててな!!」
キッチンの方へ行ってごはんを作る
グルちゃん喜んでくれるかなとか
美味しいって言ってくれるかな
これからまた一緒にいれるんやな
とか色々考えて口が緩む
パッパとご飯を作り終えて料理を持ってリビングへ向かう
「ぐ、るちゃん?」
先程までいた彼の姿がない
もしかしたら違う部屋にいるかもしれない
そう思って料理を置いて部屋を回る
自室、トイレ、風呂場、荷物置き場
とこの狭い家にある全ての部屋を見る
でもどこにも愛しい彼はいない
「な、んで」
ポロポロと流れる涙は止まることは無い
「話したいことあってんで?」
いない人に話しかけるのはどうかと思うけどそれでも今止まることが出来ない
「もっともっと一緒にいたかってん」
「あの時助けられなくてごめんって
いつも助けてくれてありがとうって」
「もっともっと好きって言いたかった
もっともっと好きって言われたかった」
「ねぇ、グルちゃん、今貴方はどこにおるん?」
「1人は嫌や、なぁ、グルちゃん
帰ってきてや、、、」
あの時俺のせいで死んだグルちゃん
俺を守って死んだグルちゃん
優しくてかっこよくて、みんなの憧れるリーダー
好きや、大好きや、
「グルちゃん愛してるよ」
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