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悪夢Ⅰ ※R
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「雪人、入るよ?」
「は゛い゛るなッ!!」
馬鹿になりそうな頭で必死に理性を掴んでいた。
オメガだから。劣等種だから。そんな評価(モノ)、俺に付けられてたまるか。
力が抜けそうになる。アルファの匂い……、多分フェロモンがヤバい。
――――もう、俺。
ダメだ、許せるか!俺の運命は、織部だけ。織部が、一生をかけて誓ってくれた。
混乱する頭で、意地だけが俺を保たせていた。
ガチャ、と。崩壊の音がする。
「発情期(ヒート)、ね。やっぱりか」
「な、んで……はい、るなって」
荒い息の中で酸欠になりながら、俺はそう言った。
織部に似た顔を見て、最初の悪夢を思い出す。
触れない姿と、繰り返される声。終わらない熱と、誰も傍に居ない虚無感。
「ねえ、雪人。どうして僕を頼らないの?」
「来るな!来るなってば!」
距離を取ろうと来るなと叫んでいるのに。
風呂場に響き渡っているのに、薫は俺の傍に来る。流しっぱなしのシャワーに当たって、服が濡れても構わないで。
「僕は、君を支えるって言ったのに」
「アンタは俺の運命じゃない!」
薫の動きが止まった。良かった、今のうちに風呂場を出よう。
何とか力を入れて動いている間に、一木が言っていた事を思い出す。多分、薫もあの保険医の先生と同じなんだ。俺の所為で、おかしくなってる。
「運命、じゃないかぁ」
「いっ」
ぎゅっと腕が掴まれた。薫の元に引き戻されて、ただでさえ広い浴室の出入り口が遠くなる。
力が抜けた俺の腰を抱いた薫は、太ももの内側を触った。
「雪人、君は僕に欲情してる。運命じゃなくても、僕に」
「違う!離せよ。シャワー浴びてんだから、濡れてんのは当たり前だろ!」
離せって言ってるのに、薫は同じところを撫で擦っている。理性が飛んでいきそうになってるってのに、何で。
距離を間違えちゃいけないのは、薫も同じなのに。
「可愛いね、雪人は。水がお湯に変わったかと思うくらい、熱い」
「ンッ」
「ヒートで辛いでしょ?大丈夫だよ、ね?「私」に委ねて?」
俺は目を見開いた。嘘だ、織部がいるはずが……無いのに。
目の前にいるのは薫だ。薫の、はずだ。
だって、声が。姿は、同じだけど。声が違う、気が。
「やめて、触るな」
「大丈夫、大丈夫。「私」がいるから」
混乱している間に、薫は俺のソレを軽く握った。そして、ゆっくりと手を上下する。
俺に触れてるのは、薫?織部?どっち?
「イッて」
「あ、あぁ、あ゛ッ!」
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