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悪夢Ⅵ ※R
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不快さを隠せもせず、かと言って責め立てるほど鋭くはない声で聞いたその問いの答えは無かった。
代わりに、不機嫌そうにさっき意識が飛びそうだと思った場所をゆっくりと押し潰すように擦ってきた。
「んっ、ゃ、こ、たえろ……!」
「雪人、別の男の名前を出すのはマナー違反でしょ?」
「ああっ、んんッ」
ごまかすつもりだとすぐに分かったが、その疑問を持ち続けられるほどオメガのヒートは甘くなかった。
熱に溶かされて、頭がぼんやりとしてくる。
「ね、雪人。僕が君の運命でしょう?」
何度かその言葉を夢現に聞いた気がした。運命なのだから、番になろうと。
頷くのは嫌だったから、横を向いた。理由すら分からなくなっても、それだけは嫌だった。
その度に薫の顔が近付いた。口の中を這い回る舌に、思考が奪われていく気がした。
「やだッ、いく、イッ、あァッ!!」
「すっご……、まだイクの?これでよくまぁ、今まで」
「ッ、やだ、もうやだ、イきたくな、あぅッ!」
いつからだろう。我慢出来なくて、果てしなく苦しくて。
もう嫌だと泣きじゃくった事は覚えている。
「大丈夫、怖いね。大丈夫、大丈夫だよ」
薫が、もう項を噛めとは言わなくなって。
ただ優しく包まれて、その後はよく覚えていない。
「おやすみ、雪人。良い、夢を」
何故かたどたどしく、唇が頬に寄せられたような気がした。
オメガのヒートは基本一週間。翌日目を覚ました俺は、悪夢の内容に怯えて薫を避けようとした。
「起きた?おはよう、雪人」
なのに、薫があまりにも普通すぎて。本当に昨日、俺を番にしようとしたアルファなのかと疑った。
何をしたか忘れたのかと思った。そんなことは無かったのだが。
「雪人のヒート、大分長いし酷いね。とりあえず、今のうちに食べれるだけ食べて、休みなよ」
保護者の顔はやめて欲しかった。昨日ぶっ壊したのは、薫の方なのに。
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