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つないだてのひら side大知
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にぃが鞄を掴んで準備を始める。
「今日、何曜だっけ??」
机の前に置かれた時間割を眺めて僕に問う。
今日は木曜日。
だけど木曜日なのはまずいこと。
「水曜。」
そう嘘をつくとありがとうと返されて、なんだか心が痛い。
でも、だって、しょうがないんだ。
木曜日はにぃのクラスは体育があって、にぃは体育が好きで、やりたいとかいうし、病み上がりだし、そんなのでやれるわけないのに体育服持って行って調子良かったらとかいいはじめるし、そんなの許せない、でしょ。
まぁ、体育服持って行っても葵がどうにかしてくれて結局、体育見学とかになるんだけど、けど、ダメとかにぃに反論するのやだし、しゅんてするにぃ見たくないし、だから、ちょっとした嘘。
水曜の時間割を確認しながらにぃが鞄に教科書、ノートを入れる。
木曜にはない教科のものも入れてるから、うん、騙された。
制服に着替えて、にぃにネクタイを整えてもらって、そこでお母さんの僕らを呼ぶ声。
「「はーい。」」
と元気よくふたりで返事をするとリビングへと向かう。
美味しそうな朝ご飯の匂いが鼻腔を擽る。
「おはよう。今日は大我、元気になったみたいね。よかったわね、大知。」
にっこりと微笑むお母さん。
それに僕はにっこりと微笑み返す。
部屋からリビングまで気が付けば繋いでいたてのひら。
てのひらから伝わるにぃの体温。
にぃ、元気になった、嬉しいいちにちの始まり。
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