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つないだてのひら side大知
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椅子が四つ並べられた食卓。
そこに全員が揃う。
それだけで嬉しくて幸せで朝ご飯が一層美味しくなる気がする。
お母さんによって作られた食事。
量は全然違うけど同じものが並べられている。
併せようなんて言ってもないのに、同時に椅子に座って、手をあわせて、いただきます。
そして、お互い見合わせてふはっと笑いあう。
箸を取ってご飯を食べて……
半分食べたあたりでじっとにぃを見つめる。
「何??」
目線に気付いたにぃが僕に問いかける。
「無理して食べちゃダメだから、ね??」
そう言ってただでさえ自分よりも少ない量のにぃのご飯からおかずをひとつ奪い取る。
「無理して、な……」
僕が取ったおかずをとられそうになってそれを避けるようにさっとそれを口に含む。
「学校、放課後までいようね。」
ごくんとおかずを飲み込んでにっこり。
にぃははぁと溜息を吐いて、箸を置く。
少ない食事の四分の一食べたかどうか。
それでもにぃは食べた方。頑張った方。
残すことでにぃが悲しむから残ったものは僕が食べるけど。
お母さんもそれを分かって僕の食事を少し少なめにしてくれてるし、ね。
食べ終えたにぃは僕が食べるのをじっと見つめる。
食べ終えた時、にぃの口から零された言葉は「ありがとう。」
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