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遠くで眺める side大我
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大知に騙されたと思った。
いや、事実、騙されたんだけど……。
水曜だと教えられた曜日は本当は木曜日で、週に2回の体育がある曜日。
体力はないとしても身体を動かすことは好きだし、運動が苦手ということもない。
高校での体育は走るとかなんかより球技とかみんなでやる競技のが多くてみんなで楽しめるものばっかりだし。
それは、さ、体力ないから迷惑はかけるよ??
けど、それでも楽しいからやりたいって気持ちはあるんだから、しょうがないじゃないか。
体育館に向かい、制服姿で端の方に座る。
葵が久しぶりの授業受けて疲れてるみたいだし、保健室で休めば??とか言ったけど、そんな考えはノーだった。
たとえ参加出来なくても見るだけでも心は少し満たされるから。
チャイムが鳴る前でざわざわとふざけあう同級生を眺める。
あの場所に入りたい、入れたなら
そう思うけど、いつもその中に入ることは難しくて、自分の身体を呪ったことがないといえば嘘になる。
はぁ、と軽く溜息を吐けば隣に人の気配。
「明日、元気ならやれるじゃん。」
そう言って制服のままの葵が横に座る。
「え??サボり??」
今回はどんな仮病を使ったんだか。
「んー、ほら、おれって大我がいないと駄目じゃん??死んじゃうじゃん??」
けらけらと笑いながらこいつは何言ってるんだか。
でも、こいつが気を使ってくれてるのは分かるから「いつも思うけど、なんだよ、それ。」とか笑うことしか出来ない。
本当は体育参加しろよ、とか言うのが正しいのは分かっているんだけど、甘えてしまっている俺がいる。
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