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優越
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「え?・・・っうわぁああ!?」
朝、いや昼前か?
ユキのでかい声で、目が覚めた。
「・・・んだよ、うるせぇな」
「いや、だって、涼ちゃんが!」
目の前で焦った顔を広げるユキ。
「あ?俺?」
「・・・ち、近いん・・・です、けど」
自分から横に来といて、よく言うな。
「ねぇ?なんで、僕、その・・・」
「なんなんだよ」
「あの、えっと、抱きしめられてるの、かなー?・・・なんて」
顔を赤く染めて、ちらちらとこちらを伺うユキ。
・・・そうだった。
どおりで、こんなに近いんだよ。
顔が目の前どころか、ユキ自体が、胸の中だ。
・・・。
いや、理由があるから聞いて?
実はこいつの寝相、驚くほど悪いことがわかった。
隣でてたら、殴られるわ、蹴られるわで、散々だったわけ。
でも、さすがに、ベットから落とすのも気が引けるから
動きを封じたまでだ。
勘違いすんなよ。
抱きしめたかったわけじゃねぇ。
ユキの動きを封じるための、ギューだから。
と、いうことで、もう離してやるか・・・
「ちょ、涼ちゃんっ、離して!無理、は、恥ずかしいっ///」
・・・。
ここに拉致られてから、やられっぱなしだったけど
何、この勝ったかんじ。
優越感が俺の心を満たす。
・・・ギューっ
「わわわ、涼ちゃんっ、なに、寝ぼけてんの!?」
焦ったユキが、俺の胸を押し返してくるが、弱くて、なんの抵抗にもなってない。
なんか、かわいい。
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