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香り
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鼻をかすめるいい匂いに反応して目が覚める。
「んー?」
「おはよー、涼ちゃん」
いつもだが、ユキの、前の夜と次の朝の態度の違いってすごいと思う
気まずさの欠片もない
寝たら忘れるタイプか?
ていうか、そうだよ、この匂いは・・・
「・・・グラタン?」
「さすが、匂いでわかるんだねー?昨日の約束だから、ハンバーグ入ってるやつだよー」
・・・しっかりと覚えてんじゃねえかよ
「ちょっと、はりきっちゃったから、こんな朝からなんだけど、寝起きで食べるー?後にするー?」
「・・・食べる」
「ふふ、かわいい涼ちゃん、じゃあ、どうぞー」
朝から重いとか、グラタンを食べることに関係ないし、何の支障もない
とろけたチーズにパン粉のほどよい焦げ目が映えて、よだれを誘う
食べやすい位置に移動したあと、スプーンをすくって口にいれた
「っ、なにこれ、うまっ!?」
ハンバーグがチーズとクリームソースに絡まって、絶妙な味を作り出している
あと、これは・・・
「かぼちゃ?」
「そー、この時期のかぼちゃって、おいしんだよねー、涼ちゃんも気に入ったー?」
「俺、かぼちゃ大好き」
「・・・ええ!?そうだったのー?僕としたことが!知らなかったー」
あ、やっぱり普通に知られてないこともあるんだな
「うん、なんか逆に安心した」
「ごめんね?すぐに涼ちゃんメモに書いておくからー」
「本気でやめろ。そしてその得体の知れない涼ちゃんメモも即座に捨てろ」
「嫌だよ、宝物だもんー」
「うるせぇ。意味がわからない物作りやがって」
「えー、これがあるから、涼ちゃんの好きなガリガリ君も、シュークリームもプリンもわかるんだよー?ほら、シュークリーム用意したよ?食べるでしょー?」
「・・・食べる」
「ふふ、やっぱり涼ちゃん、かわいい」
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