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別れ
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「う、っ!?」
鼻と口元をハンカチかなんかで塞がれて、後ろから押さえ込まれた。少しもがいてみたが、外れそうにない。
そして、鼻につく薬品の匂い。
そういえば、ここに来る時も、この匂い嗅がされた気がするなー
なんて、のんきなことが頭をよぎった。
薬が回ってきたのか、いっきに目の前に霞がかかり、頭も働きをやめようとしている。
普通の朝だったのに
今度はなんなんだよっ
抗議の気持ちから、できるだけ意識を繋ごうと必死に抗ったが、力がだんだん抜けていって、何の抵抗にもならず、意識が薄れていった
また、なんか拘束でもされるのか?油断しなければよかった。
そんなことを、フワフワとした頭の中で必死に考えていた
そんな中、後ろから、どうにか聞きとれる程度の声…
「ごめんっ、涼ちゃん、さよ、なら、ずっと・・・ずっ、と、愛してるねっ」
真剣なユキの声を聞いて、これが、悪巧みではなく、最後の時間になることを悟った
後悔に似た焦りを感じる
待てよっ、俺だって
うっすらと聞こえた、嗚咽の交じるユキの声は、俺の意識とともに消え、俺の絞り出した声は、ユキには届かなかった
「幸せな、時間、を、ありがと、う、涼ちゃんっ・・・」
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