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寝言
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「・・・ユキちゃんと、別れちゃったんだ??」
「えっ!?は!?え、なんで!?ユキって、え!?」
奏の一言に混乱する
なんで、ユキのこと知ってんの?
っていうか、別れたって、は?
「ははっ、そんな焦んなくてもいいのに。1ヶ月間、ユキちゃんの家に泊まってたんだろ?」
「な!?なんで、それっ」
携帯の履歴を見ても、ユキは奏に、このことを伝えていなかった
友達の家としか言ってないし
奏は知っているはずかないのに・・・
「ふーん、当たってんだ?」
ん?
「カマかけてみるもんだなー」
いや、ん?
「うわっ、兄ちゃん、その顔最高!あはは」
「・・・説明しろ、奏」
俺の顔を指さして、高々と笑う奏を見て、イライラする
「そんな、怒んなって。兄ちゃん寝言で、ユキー、ユキーって言ってたからさ?どんだけ好きなんだよと思って」
寝言で・・・
「・・・そんなこと言ってた?」
「言ってた、言ってた。まぁ、後は適当にカマかけてみたんだけど、あながち間違ってねぇみたいだな?」
くそっ、完全に弟に乗せられた。
寝言ってなんだよ。
無意識で何言ってんだよ。
いっきに自己嫌悪に陥る
「はぁ、これで兄ちゃんも童貞卒業かー。あぁ、つまんねぇ」
「はっ、ど、童貞ってお前・・・」
「・・・まさか、1ヶ月も泊まって、1回もヤってねぇの?」
「や、ヤるとかヤらないとか、そんなんじゃねぇよ。第一、付き合ってねえし」
「寝言で名前呼ぶほど好きなのに?うわー、兄ちゃん幻滅だわ。ユキちゃんも不憫でならねぇな」
「言われなくたってわかってる。・・・でも、もう遅い」
「どうしたわけ?ユキちゃんに嫌われちゃった?まぁ、1ヶ月も手を出してこないやつ、相手になんかしねぇか」
「っ、うるせぇ、奏。もう、ごはんいらねぇ。部屋戻るっ」
急いで荷物をまとめて、自分の部屋にかけこむ
「えー、図星だからって、怒んなよ」
「ほんと、黙れっ」
ドンっと閉めたドアの向こうから
「自分の気持ちに素直になった方がいいよー」という奏の声がうっすら聞こえた。
わかってる、わかってるけど
もう俺には、どうしたらいいか、わからねぇんだよ
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