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( ん、、、、。)
意識が浮上して、薄っすら目を開くと柔らかい光が視界に入ってきた。
( ここは、、、あっ、、?)
瞼を閉じていたからか、淡い光すらも眩しくて眉間にシワを寄せながら俺は今自分が置かれている状況を思い出す。
次々と思い出される、思い出したくない記憶に頭が痛くなる。思わずもう一度眠ってしまおうかと思ったくらいだ。
だが、それは頭上から降ってきた声により止められた。
「 あれ?!目が覚めたんだね!!」
俺はシパシパする目を細めながら何とか開き、声のする方へ顔を向けた。
するとそこには、新緑のような美しい緑色をした人魚がいた。
笑顔でこちらを見つめるそいつは、真っ直ぐな長い髪を頭の高い位置で一つにまとめていて、髪と同じ色をした瞳は垂れ目がちで優しい気な印象を受ける。
鼻はスッと高く唇は薄い。優しい清潔感の中に知的さを感じる美青年だ。
俺は、この誰だかわからない男を見ながら人魚は基本的に美男美女しかいないのだろうかと呑気な事を思っていた。
ボーっとそんな事を考えている俺を、不思議そうに見つめながら男は俺の額にその綺麗な手を置いた。
( ひんやりしてて、気持ちいい、、、。)
人魚だからなのか、人のそれより低い体温が凄く気持ち良くてそっと瞼を閉じる。
すると、男がクスクスと笑った声が聞こえた。
また瞼を開けば、思ったとおり男は笑っていて、俺は何が可笑しいのかと睨みつける。
男はそんな俺を気にも止めず笑ったまま話し出した。
「 ごめんごめん、君が可愛くてついね!自己紹介が遅れたね!僕の名前は木賊。この国の宰相をしています。あと、医術の心得もあるから君の事みさせてもらったよ。一昨日の事は覚えてるかな?」
男は木賊というらしい。どうやら偉い奴らしいしおまけに世話になったようだが、今の俺にはもっと気になる事があった。
「 一昨日、、、?」
( 一昨日と言えばまだ陸にいたはずだけど )
なんでそんな事を聞くのかと首を傾げる。しかし、その謎はすぐに解決した。
「 そう、一昨日。 君はまる二日眠っていたんだ。」
「 二日、、、えっ?二日も!?」
「 そうだよ。君は蘇芳との行為の途中、ストレスやら痛みやらで発熱して気を失ったんだ。それでそのまま二日目覚めなかった。」
「 そのせいで二日も、、、アイツ、、あのクソ野郎っ!!無理矢理あんな事しやがって!!〜〜ッゥ、、!!」
怒りに飛び起きた俺は目眩に襲われ思わず顔を片手で覆った。慌てた木賊に肩を押されもう一度寝台に戻される。
「 急に起き上がっちゃダメだよ!二日間横になってたからね、急に起きると今みたいになっちゃうから気をつけて。熱はもう下がったみたいだけど、どこか痛かったりする?」
「 いや、大丈夫、、、です。」
目眩に耐えながら横になった俺に木賊は笑顔でとんでもない事を言った。
「 そう?良かった!お尻とかすごくはれてたからまだ痛いんじゃないかと思って!人魚の薬なら沢山あるけど人間に効くかわからないし、なんか副作用あっても困るから使えなかったんだ。でも無事治ったなら良かったよ!」
「 えっ、、お尻って、、、。俺の尻、見たんですか、、、、?」
何でそんな事を聞くのかとキョトンとした顔の木賊。
「 うん?!見なきゃ状態わからないしね?切れてはなかったから安心して大丈夫だよ。」
「〜〜〜〜〜ッゥ!!」
( 見られた?!尻、、尻の穴を?!知らない奴にっ!?嘘だろっ!!?!)
俺は顔が熱くなるのを感じた。仕方ないだろう、尻の穴を見ず知らずの奴に見られてのだから。しかも二人も。
人生の中で人に尻の穴をいじられる事があるだろうか?
( いや、あったけれど。あったけれども。)
少なくとも俺の人生では無いはずだった。治療の為とはいえもう悲しいやら恥ずかしいやらですぐさま意識を失いたかった。
「 えっどうしたの!?なんでそんな真っ赤に?!もしかしてまた熱出てきたの!?」
俺の様子を見て慌てる木賊を視界から追い出すように両手で顔を覆った。
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