アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
The wing which died surely turns into love
立場逆転 < Side Y
-
いいコトなんて、ない。
適当に遊んで、適当に戯れて、適当に生きている。
26歳にもなって、定職にもつかず、生活に不自由がない程度にバイトをして、生きていた。
同じ仕事を何年も続けられるほどの真面目さも無い、飽き性な俺。
生きているコトに、何の執着も…ない。
俺の将来になんて、…俺になんて、何の興味もない両親。
ただ、死ぬと面倒だと考えているのか親は、時折、俺の口座にいくらかの金を入れてくる。
死なない程度に食べて、苦しくならない程度に息抜きをして、適当に生きている……。
「ぁ………、ん…、んぅ……」
公園の公衆便所。
男子トイレの一番手前の個室に傾れ込んだ。
ぴちゃ、ぴちょっと小さく淫靡な水の音と、荒い息遣いが個室に響いた。
「舌、……ベロ、出せよ」
相手の身体を両手で弄りながら、少し命令口調で言葉を紡ぐ。
俺よりほんの少し小さく、可愛らしい見た目の男は、短めの舌を精一杯、伸ばして見せる。
「んっ………」
伸ばされた舌に柔らかく歯を立てる。
気持ちよさそうな吐息が零れ、俺の喉を擽った。
瞳を三日月のように細めた目の前の男は、俺の腰に回した手を、そのまま尻へと滑らせた。
俺は、その手を、やんわりと剥がす。
「残念。俺、バリタチなんだよね」
声を放ち、くっと片方の口角を上げ、冷たい笑みを浮かべる俺。
下手を打ち、掘られたコトもあった。
そいつが下手過ぎて、くっそも、気持ち良くなかった。
それ以来、俺は、タチ専門だ。
俺に掴まれた手首を支点に、くるりと腕を捻る男に、手が外れた。
ぱっと放した俺の手首を捕まえた男は、掌を上に向けるように捩じり上げる。
「ぃでっ………、いたた、痛いって……」
まるで、痴漢を撃退するかのような体術で、俺の腕が捻り上げられた。
呻く声に反応するように、男は、ぱっと手を放した。
俺は、ジンジンとした痛みを発する手首を摩り、恨めしげな瞳を向ける。
俺の視線に対抗するように、目の前の男は、愉快そうな笑みを湛え、口を開く。
「俺に、突っ込もうと思ったんでしょ?」
顎を上げ、見下すような瞳を向けた男は、すっと手を伸ばし、俺の後頭部を掴んだ。
男は、俺の顔を蓋の閉まる便器に向けて、ぐっと押しつけた。
「ぉっ、わっ………」
倒れる身体に、慌て伸ばした手が、がしっと掴まれた。
いきなりの行動に、俺は、反抗する隙もなく、便器の上へ、上体を預けるように倒されていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
2 / 110