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The wing which died surely turns into love
好きでしているわけでは、ありません
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「もしもぉ~しっ。生きてますかぁ?」
声に、途切れていた意識が、引き戻される。
なんだ? こいつ……。
思った瞬間、腰から下に感じる冷えた感覚に、ヤり捨てられたコトを思い出す。
この格好…。
もぉ、マジ、死にてぇ……。
便器に突っ伏している俺の頭を、無造作に撫ぜられた。
俺は、その手の感触に気付かないふりをしようと、顔を両腕の間に、深く埋める。
「あ、動いた……。生きてるっぽい」
男であろう手の持ち主は、しゃがみ込み、俺の頭をさらに、わしゃわしゃと混ぜる。
「起きろぉ。起きろぉ。こんな格好で寝てたら、風邪引くぞぉ~」
好きで、こんな格好で寝てるわけじゃねぇんだよっ。
男の手を弾くように、頭を振るった俺。
それでも離れていかない手に、恨めしげな瞳を向けた。
ぼんやりとする視界に、何度か瞳を瞬いた。
目の前で、長めの黒髪がさらさらと揺らいでいる。
綺麗な顔立ちの男が俺を覗き込んでいた。
「風邪、引くよ?」
不思議そうな瞳で、悪びれもせずに紡がれる声に、カッと頬が熱くなった。
苛立ちと羞恥が綯い交ぜになる感情のままに、吐き捨てるように声を放つ。
「好きで、こんな格好してるんじゃねぇんだよっ」
手首に纏わる手錠を引き、ガシャンと音を立てる。
「あー……、そういうコトか」
男は、きょろきょろと辺りを見回した。
タンクの上に視線を据えると、すっと伸ばした手で、鍵を掴む。
「これで、外れる?」
きょとんとした瞳で俺を見やる男に、手錠の嵌る両腕を左右に広げて見せる。
ふぅっと小さく呆れるような音を放った男は、俺の手首を拘束する手錠を外した。
手錠に擦れ、何本もの赤い痕が残る手首を擦る。
「…………どうも」
お礼を言わないわけにもいかなくて、小さく呟くように声を放った俺に、男はニコニコとした笑みを湛え、どういたしまして、と言葉を返した。
両手で便器を支えに、身体を起こそうとした瞬間、どろっとした液体が俺のアナルから漏れだした。
「ぅあ………」
気持ち悪さに声を零す俺に、男の視線が、下腹部へと移る。
俺は、トイレットペーパーに手を伸ばし、カラカラと音を立て、手に巻き取った。
「あ、意外にイケそう………」
ぼそっと声を放った男の手が、俺の尻へと伸びた。
「はっ? ぇえぇぇ?」
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