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The wing which died surely turns into love
靄が散らばる佳梛の手
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「ゆぅ~めっ」
悪戯に、揶揄うように呼ばれる名に、腹立たしさと、焦げるような想いが胸の中で交錯する。
むすっとしたままに、睨みつけるような視線を向ければ、佳梛は可笑しそうに笑った。
「なに、笑ってやがんだよっ」
じりじりと焦げる感じがするのは、恥ずかしいからなのか…、愛しい人に触れられているからなのか…。
自分の感情が、ふわふわと揺れ、よくわからない。
「そんな目で睨んでも、煽ってるようにしか、見えないよ」
くすくすと笑ったままの、佳梛の顔が近づく。
両腕は相変わらず、シーツに縫いつけられたままに、受け入れるのように、唇を少しだけ、開いた。
こいつとのセックスは、気持ちがいい。
挿れられることに抵抗があったはずなのに、グズグズに溶かされている。
最後には、記憶もなく、失神するように落ちている。
気持ちがいいのは、俺がこいつを好きだから……なんだろうか。
ずっと、想い続けて……いつ、実ったんだ……?
ふわりと寄ってきた佳梛の顔が、嫌そうに歪み、不満げな声を放たれる。
「……なに?」
頭を掠める疑問符に、視線を外す俺。
「いや………」
歯切れの悪い俺の返答に、むすっとした佳梛の声が、再び降ってきた。
「また、要らないこと考えてる……?」
じっと見つめる佳梛に、俺は外したままの視線で、バツが悪そうに眉間に微かな皺を寄せた。
佳梛は、首とベッドの間に手を挿し込み、俺のうなじに触れた。
もやもやと霞がかっていた頭。
立ち込めていた霧が、一瞬にして散らばっていく。
「余計なコト考えられないように、気持ち良くしてあげるよ…」
ふわっと開けた佳梛の唇が、俺に重なる。
にゅるりとした舌が俺の口腔内に入り込み、余すところなく撫ぜ上げていく。
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