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The wing which died surely turns into love
たぶん、これが日常 < Side Y
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俺が、不覚にも、トイレでヤられてから1ヶ月。
日々、飽きもせず、布団の中で過ごしていた。
こんな毎日だったか?
不思議に思いながらも、変わらないのであろう日常を過ごしていた。
「たまには、どっか行かねぇ?」
家で、ごろごろと過ごすのも悪くはないが。
ベッドの上で、仰向けに寝返りながら、声だけを佳梛へと向ける。
「んー? いいけど。どこ行くの?」
佳梛は、片腕を枕に、横になりながら、ぼんやりとした声を返す。
俺は、足を床へと下ろし、冷蔵庫へと向かう。
パコっと音を立て開いた冷蔵庫の中の食材を確認する。
俺は、料理をするが、佳梛はやらない。
俺が作った物を、横から摘まみ食いする程度で、まともに食事をしているのを見たことがない気がする。
冷蔵庫の中は、当たり前だが、スカスカだ。
「買い物でも行くかぁ」
ぐぐっと身体を伸ばす俺に、佳梛もベッドから腰を上げる。
「お前の好きなもん作ってやるよ。食、細すぎんだろ?」
寄ってきた佳梛の脇腹辺りを摘まもうとする俺の指。
摘まもうとしても、余ってない肉は、俺の指の間には残らなかった。
「病的な細さじゃないし、それなりに付いてるよ?」
腕を上げ、自分の二の腕を、むにむにと揉む佳梛。
でも、触っているのは贅肉と言うよりは、筋肉だ。
「あの食事量で、この身体が保たれてることが不思議だわ」
妖しげに、ぺたぺたと胸や腹を触る俺に、佳梛の唇が、にたりとした弧を描く。
「煽ってんの?」
出掛けるの止めようか? と、佳梛に触れる俺の手の甲の上を、指が滑り落ちていく。
慌て、ばっと引っ込めた手に、くるりと踵を返す俺。
「これ以上されたら、俺が死ぬ!」
叫び声を上げる俺の背に、あははっと楽しそうな佳梛の笑い声が響いた。
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