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The wing which died surely turns into love
高校時代の夢? < Side Y
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高校時代の文化祭。
俺のクラスは、女装喫茶だった。
俺は、昔から身長は高く、図体がいい。
俺のメイド服姿は、目が潰れると却下された。
ボーイ姿の俺とメイド姿の佳梛が並ぶと、なかなかいいカップルに見えた。
「なんであんなにノリノリになれるわけ?」
少し離れた位置で、客に笑顔を振り撒くメイド姿のクラスメイト。
女装して楽しそうにしているクラスメイトに辟易する佳梛は、嫌そうに顔を歪め、悪態を吐く。
「こんなんの、どこがいいんだよ」
ふわふわとした黒のフレアスカートの裾をひらひらとさせる佳梛。
「男が女装したってキショいだけだろ…」
むすっとした表情で呆れたように息を吐く佳梛に、俺は、顔を覗き見た。
「今のお前なら、俺、キスできるけどな」
冗談めかして、唇を近づけた。
冗談でも、戯れでも、何でも良かった。
佳梛に触れられるなら。
キス、出来るなら……。
「キッショっ!」
声を放った佳梛に、全力で鳩尾に拳を埋められた。
昼に食べた菓子パンが、リバースしそうになった。
「ぅっぷ」
慌て、口許を押え、涙の浮かぶ瞳を向ければ、佳梛は、本気の嫌悪を顕にした。
「男同士とかマジでねぇは!」
吐きそうになるほどの拳を打ち込みながらも、佳梛は謝ろうとはしない。
それは、俺の戯れが行き過ぎだということを、訴える。
「冗談だろうが」
そんなに怒んなよ…と、こぼす俺に、佳梛は、ふいっと顔を背け、微かに震える手を握り締めていた。
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