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The wing which died surely turns into love
我慢できない <Side X
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「きっちりしてる俺のこのカッコ…、崩すの興奮しねぇ?」
ベッドの上に脚を投げ出し座っている俺の腿に、スーツ姿の結芽が乗ってきた。
俺に跨がった結芽は、ネクタイに指を掛ける。
「スーツ姿の俺、犯すの萌えんだろ?」
ニヤッとした企んでいるような笑みを浮かべた結芽。
くっくっと左右に引き、ネクタイを緩めながら、ゆっくりと結芽の顔が寄ってくる。
数センチの距離にある結芽の口角が、ゆるりと上がる。
「最近、ヤってねぇし…。お前だって溜まってんだろ?」
いつも以上に、色香を漂わせた結芽は、唇を寄せる。
ちゅっと小さく音を立て、啄まれ、自然と唇が開いた。
結芽のキスに当てられるように、身体に熱が籠る。
好きな人の体液は、媚薬と一緒だ。
ぞくぞくと這い上がる感覚は、性的欲求で。
大丈夫。
翼さえ出さなければ、問題ない…。
きゅっと閉じた瞳に、気持ちを落ち着けるように、鼻から息を吐いた。
ちゅっと掠るように触れた唇は、すぐに離れ、再び触れる。
深く口付けたい俺に、結芽は、揶揄うようにバードキスを繰り返す。
背で蠢く翼の感触。
ムズムズとする感覚から意識を逸らすように、キスに溺れた。
欲情の裏で、心の角に真っ黒な靄がかかる。
広げなければ、問題は、ない。
思うのに、翼が広がるのは、避けられない…、気がした。
これだけの禁欲の後、結芽を抱いたら、俺は興奮を抑えきれないだろう。
そうしたら、俺は、結芽の記憶を消さなくてはいけない……。
この、弱った状態で、結芽の記憶を弄るのが…怖い。
結芽を壊してしまいそうで…、怖い。
「抱けよ」
攻めいる結芽に、心が絆される。
我慢なんて…、出来なかった。
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