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The wing which died surely turns into love
総てが……、消える
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「な……、なに、言ってるの?」
浮かべたはずの笑みは、動揺に歪む。
声は、微かな震えを纏っていた。
「佳梛とお前は、全然違うじゃねぇか」
逸れた視線は、揺れた髪に隠れた。
「お前、俺の記憶、弄ってんだろ?」
緩やかに上がった結芽の顔。
叱るような鋭い視線を俺に向ける。
「な、に、…そんなこと、できるわけ、……無いじゃん」
ドクンドクンと嫌な音を立てて鳴る心臓に、声が震え、笑顔は歪む。
俺を拘束するネクタイを掴む手はそのままに、結芽は自分のこめかみをトントンっと叩いて見せた。
もう、総てが、バレている……。
「お前に触られると、変なんだよ。記憶が消えてる気がする……。弄ってんだろ?」
ふっと嘲るような瞳を向けた結芽は、頭から下ろした手で、俺のぺニスに触れる。
「それに…、お前の精液、ヤバイよな。俺、ぜってぇ、おかしくなるし」
そう言った結芽は、ゴムの上から、再び舌を這わせた。
結芽の熱だけが、そこを伝って、身体を痺れさせた。
結芽の記憶は、弄れない。
本物の佳梛に会ったときのように、結芽が倒れてしまったら。
そのまま、眠ったまま目覚めなかったら。
そう思うと、怖くて仕方なかった。
もう、弄りたくない。
……壊したく、ない。
弄れないと思った矢先、″終わった…″という言葉が、頭を占めた。
このまま、俺は、結芽の前から消えるべきなのだ。
後は、きっと、月香が何とかしてくれる……。
月香が、総てを無かったコトにしてくれる。
総てが……、消える。
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