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The wing which died surely turns into love
萎れる気持ちと掬う言葉
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俺は起こしていた上体を、ベッドの上へと投げ出し、縛られたままの両手で顔を覆った。
「お前の名前、教えろよ」
結芽の言葉に、答える元気も無かった。
今更、俺の名など知って、どうなるというのだろう。
どうせ、結芽の記憶は綺麗に消されるのだ。
「なぁ?」
結芽の手が、悲しみと落胆に、萎えかえたぺニスを擦る。
「教えろ……」
緩く扱きながら、言葉を紡ぐ結芽に、投げ遣りな声を返した。
「俺の名前なんて、なんで、知りたがるんだよ……」
″佳梛″じゃない俺になんて、何の興味もないだろう。
俺なんて、俺自身になんて、何の興味も、ないだろう?
俺のコトなんて、忘れるんだろう?
それでも、刺激を受ければ、反応する。
硬度を取り戻しかけている俺のぺニスを口腔内へと誘った結芽は、咥えたままに、もごもごと声を放つ。
でも、それは、言葉として聞き取ることは、出来なくて。
「ん……、ぁに…言って……るの?」
ジンジン、ビリビリと襲ってくる刺激に、喘ぎの混じる声で問う。
じゅるっとぺニスから口を離した結芽は、俺に覆い被さるように、身体を重ねた。
顔を覆っていた両腕を剥がされ、頭の上で、シーツへと縫い付けられた。
結芽は、真上から俺を見下ろし、言葉を紡いだ。
「好きなヤツの名前、知りたがって何が悪ぃんだよ」
最後には、耳まで赤くしながら、吐き捨てるように紡がれた言葉に、俺は目を見開いた。
好きなヤツ……って、言った?
結芽は、俺の胸に人差し指を突き立て、言葉を繋ぐ。
「お前の、名前、教えろ」
突き刺そうとするように、立てられた人差し指に、心臓がドンクドクンと波を打つ。
高鳴る心臓が、俺の喉を詰まらせた。
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