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The wing which died surely turns into love
せがむ唇に
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荒く引き抜いた指の代わりに、ペニスを深く埋める。
緩く腰を振るうオレに、月香は、いやらしく身体を燻らせる。
「俺のコト、イかせて……?」
自分で自分を誤魔化して。
幸せな気持ちなのだと偽って。
「好きでしょ? 俺のコト」
月香は、耳まで赤く上気した顔を、恥ずかしがるように背ける。
背けられた顔に指先で触れれば、困ったように眉根を寄せたまま、その両腕を広げた。
誘われるままに、上体を倒し、その胸の中に収まる。
月香は、ぎゅっとオレを抱き締め、脚までもを絡めた。
「好き……」
熱に浮かされ、溺れるように放たれる声に、背筋が震える。
蕩ける身体に、月香の意識が、余計に混濁していく。
押し込め、押し潰していた想いは、簡単に蓋を開け、流れ出る。
オレは、身体に巻き付く月香の腕を剥がし、距離を取る。
「好きです、音……」
溶けるような視線を向ける月香の唇を塞ぎ、その名前を紡がせない。
本当は、痛いから。
胸の底が、苦しいから。
音里が愛してくれたら。
音里が求めてくれたら。
それ以上の幸せなど、この世に存在しない。
これは、夢。
……そんな月香の心が伝わり、痛むから。
言葉を塞ぐために口づけ、慌てて放した。
オレのキスを頑なに拒んでいた月香を思い出したから。
唇を遠ざけるオレに、月香が自ら顔を寄せた。
ふんわりと唇を開け、せがむように顔を寄せた。
もっと……。
そんな心の音が、聴こえる。
誘われるように、オレは再び、口づけた。
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