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「おいハヤクソォ!!」
学校に着いた御守屋は、荷物も置かずに英語科準備室のドアを叩き開けた。
バァンッという音とともに、コーヒーを啜りながら本を読む迅玄が視界に入る。
「うわぁ何そのあだ名。ダサいからやめて」
全体的にスレンダーな迅玄は、モデルの様な体型をしている。今朝はその長い足を惜しげもなく組み、御守屋の事は横目でちらりと見ただけだった。
「あ?どうでもいいからこれ解けよ」
御守屋はパスワード入力が表示された画面を迅玄に突き出す。しかし迅玄は、英語新聞に目を向けたまま何も言わない。
御守屋がおいっ、と肩をつかむと、やっと面倒くさそうに御守屋を見た。
「解けよ」
迅玄を睨みつける。
しかし当の本人は、大きくため息をついただけ。
「あのさぁ………御守屋くん頭悪過ぎ。俺はきみの事脅してるんだけど、分かってる?」
「は?なんで脅されなきゃなんねぇんだよ。意味わからん」
「……筋金入りの馬鹿だね」
呆れた、と言うように新聞を畳み、迅玄は御守屋の方に向き直った。
御守屋はまだ分かっていないようで、眉間にシワを寄せながらも携帯をしまわない。
「あのね……俺がその写真をきみに送ったって事は、俺がその写真を持ってるわけ」
迅玄は御守屋の手からスルリと携帯を奪い、彼自身を膝の上に座らせた。
迅玄はそのまま静かにシャツの上からツーッと御守屋の腹を撫でる。
「ぁっ……おいっ、やめ……!!」
「いいの?抵抗して。俺が誰に写真を送っちゃうか分かんないよ?」
ここで御守屋は、ようやく『脅し』の意味を理解する。
何か言いたげにもがいていたが、迅玄がそれを許さなかった。先程と変わらず御守屋の身体をまさぐり、その手は首にまで届く。
「主導権は俺の物だよ」
御守屋の耳元で呟いた迅玄は、目の前の首に噛み付いた。
「い"っ!!!……カハッ!!」
噛まれた痛みとシャツを後ろに引かれた苦しさに御守屋が苦しげに息を吐く。
迅玄はねっとりとした舌使いでその噛み跡を舐め上げて、満足そうに黒く笑った。
「今日も補習あるから。逃げようなんて考えるなよ?」
「こんのっ、ゲス野郎ォ……」
「あっはァ……なんとでもどうぞ?」
御守屋は英語科準備室を飛び出した。
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