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「ん……」
御守屋が目を覚ましたのは、やはり夕暮れ。しかしこんなにも部屋が暗いのは、外が相変わらず土砂降りだからだろう。
迅玄はいない。既にここを後にした様だったが、御守屋は身体が綺麗になっている事に気付いた。
「……クソが」
迅玄に悪態をつき、腰に違和感があるまま立ち上がる。
電気を消した指導室のドアを力いっぱい閉めて。
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家に帰った御守屋は、制服を脱いで無造作に椅子の背もたれにかけた。
部屋着を着てから、ベッドに沈み込む。
「はぁ……」
迅玄と体を重ねるという行為。あの写真が迅玄の手にある限り、御守屋は彼の犬だ。
もう、こんな事はしたくない。
そう思っても、自分の社会的な死は避けたかった。
来年末には大学受験も控えている。
一流大学への受験予定は毛頭ないが、それなりのところを出ておかないと困るのは自分だろう。
「はぁぁぁ………」
盛大なため息をひとつ吐き、御守屋は台所へ向かう。
高校生の一人暮らしは不摂生だと思われがちだが、彼は立派に自炊していた。
と言っても、丁寧に作るわけではない。
各種野菜を乱雑に切り、肉多め・焼肉のタレ味で秒速野菜炒めを作る。
登校前から出汁を取っておいただし汁でじゃがいもと豆腐を茹で、味噌を溶きながらサ〇ウのごはんをレンジで温めた。
これで、夕食の完成。
あまりに面倒な日以外は自分で作るが、レパートリーが少ないために何種類かを日毎にローテーションするようにしていた。
「……味噌の在庫が危うい…………」
明日の帰り道は味噌を買って帰ることが決定した。
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