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快晴だし、海も穏やかだし、今日もいい1日になりそう
ラウトって人と目が合ってから2日経ったから少し遠出しても大丈夫だよね?
それにしても何だろう、アレからずっと胸が苦しい…こんなの初めて…
青い鉱石があるあの島に行って、これを完成させなきゃいけないのに、これじゃあ集中出来ないよ…
人魚の手にはサメの牙や珊瑚、真珠で出来た作りかけの首飾りがあった
この首飾りを完成させたら、ヒレに通すリングをもう1個作って、新しい耳飾りも作らなきゃ。あっ、手首のリングも作ろう
あの人にも作ろうかな……いやいやいや!何考えてんの僕!別に仲がいいわけでもないんだから、作る必要内に決まってるじゃん!
…………いいや、一旦考えるの辞めよ。きりがない
人魚はモヤモヤする気持ちを誤魔化すように歌を口ずさみながら島へと向かった
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
着いた着いたー。鉱石はー…あっ、早速発見!
大きさも形もいい感じだね。他にもないかな?
人魚は石を吟味しながらどんどん拾っていった
よし、これだけあれば首飾りは完成するね。余ったので先に髪飾りと耳飾りでも作ろっと
そして岩場に辿り着くと、海面に顔を出した。人魚は岩の上に石を置き、自分も隣の岩に座った
海から体を出すのは少し不安だけど、海の中だと上手く出来ないんだよねー
さっさと作ってさっさと海に戻ろう
そう思った人魚は、石を紐のような透明の糸で繋ぎ始めた
「♪~♪♪~♫♩~~♫♫~♪~」
人魚はお気に入りの歌を口ずさみながら首飾りをはじめ、髪飾り、耳飾りとどんどん作り上げていった
よし、完成!なかなか上出来じゃん?
作ったものを身につけ、満足そうに眺めていると足音がした。人魚はそれに気づき、パッと振り向く
ラ「お前…」
「っ!?」
するとそこにはラウトが立っていた
あの人いつの間にっ!逃げっ……いや、今逃げたら銃ってやつの標的になっちゃうな…
落ち着いて…隙を見て岩の裏に潜れば大丈夫…
人魚は1度逸らした視線をラウトに戻した
じっと見つめ合い、先に口を開いたのはラウトだった
ラ「お前、この前のだよな?」
「…………」
応えちゃダメ…
ラ「お前って人魚…なのか…?」
「…………」
ラウトはゆっくり歩を進めた
どうしよう、どうしよう、どうしよう!近づいて来る!やっぱり、来ないでってだけでも言うべき?
で、でも、変に刺激するのも怖いし…
そうこうしている内にラウトが目の前に来た
ラ「名前はあるのか?」
「…………」
ラ「…触っても、いいか?」
ラウトがそう言いながら手を伸ばす
今だ!
ラ「なっ、」
人魚は滑るように背面から海に飛び込んだ
そして、一気に下まで潜り、岩の裏に隠れた
岩の裏から様子を伺うと前回の時と同じようにラウトは人魚の潜ったところから海を覗き込んでいた
ただ、前回と違っていたのはラウトの表情が見えるということだ
なんでそんな顔をするの…?
「なんか、僕が悪い事したみたいじゃん…」
でも、こうするしかなかったし…
そう思って俯いた時だった
バンッ……バンバンッ…
海の中に潜る人魚にも聞こえるほどの大きな破裂音が何回かした
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